9月になっても、残暑厳しく、いつになったら涼しくなるだろうと思っていましたが、朝晩は、さすがに涼しくなってきて、ほっとしています。
本日は、《備前焼の中興の祖》と云われる「金重陶陽」先生の、これまためずらしい”四方徳利”をご紹介します。
”四方徳利”で4面あっても、2面しか見て頂けないのが残念ですが、窯変の見事さを感じて頂けたら、と思います。
【備前 四方徳利】
金重 陶陽・作
径8㎝、高さ12、3㎝
手捏(づく)ね伊部窯の”角型徳利”というものです。
普通、轆轤(ろくろ)で丸く引き上げて作られた徳利がほとんどですが、手捻りで”四方形”に作られた珍しい作品です。
出来上がりも大変良く、”窯変”も素晴らしいものだと思います。
この作品【備前 四方徳利】は、窯の焚口に近く、”木片”が投げ込まれ、甚だ作品には危険な場所で焼かれたものです。しかし、この様に出来のある作品は少ないものと思います。
おそらく戦前、昭和15年頃に焼成されたものと思われます。
肩から口辺に至る頸(くび)の線は、大変のびのびとした姿で、肩から底につながる線はとても均整の取れた素晴らしい出来だと思います。
やはりコレクタ-―が多く懇望される気持ちがよくわかります。