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この度の西日本を中心とした豪雨で、被害に遭われた方々、心よりお見舞い申し上げます。
そして今も、被災地では、懸命な救助活動が続いている、ということで、本当に大変ですね。
改めて、自然の厳しさ、人の命の儚さを感じてしまいます。

さて、本日は、長い間、土深く眠っていたであろう~古い磁器をご紹介します。

【天鶏壷(てんけいこ)】     六朝時代(りくちょうじだい)    高さ18.5cm、径12.5cm

中国陶磁の器種の一つです。「鶏首壷」とも云います。
口部は、盤口形になり、頸は細く、肩に、鶏頭形の装飾がついています。鶏頭の反対側に、把手がついているものと、鶏の尾をかたどった飾りがついているものと、二種類があります。
鶏頭は注ぎ口の形をしていますが、孔が胴に通じていないため、注器としての実用的な機能はなく、噴墓に副葬するための”明器”としてつくられたものでしょう。

浙江省を中心とする江南地方一帯で、盛んに焼造されました。多くは、”古超磁”と呼ばれる青磁ですが、少量ながら黒釉が掛けられた例もあります。

この作品【天鶏壷(てんけいこ)】は、六朝超州、徳清窯で焼成されたものの様です。
把手は、龍が盤口形のの口部をくわえている形で、肩部の黒釉は剥げていて生地が出ています。これも明器として、地下にあったものでしょう。
全体のフォルムがたいへん素晴らしく、思う存分、姿かたちを楽しんでいただける作品ではないでしょうか。